1.計測器に関するご質問

Q:微差圧計(マイクロマノメーター)はどのように選べばよいですか?

A:基本的にはどのメーカーのものでも差し支えありません。ポイントは、測定表示が0.1Paまでの単位があることと、自動記録装置付きが望ましいです。

Q:集じん・排気装置のフィルターの交換の目安はありますか?

A:フィルターの交換は、目詰まりを起こす前を目途に行います。1次フィルターは3~4回/日程度、2次フィルターは1回/日程度、HEPAフィルターは1次、2次フィルターを交換しても目詰まりを起こす可能性がある場合(500時間程度)です。

Q:スモークテスターって何ですか?

A:空気の流れを確認するためのものです。具体的には、スモークテスターから煙が発生し、その煙がどの方向に流れていくかを確認します。例えば、セキュリティゾーンの前室でスモークテスターを使った場合は、隔離空間(作業場)が負圧になっていればスモークテスターの煙は、セキュリティゾーン前室~隔離空間の方向へ煙が流れていくことになり、隔離空間が負圧状態になっていることを確認することができます。

Q:パーティクルカウンター、粉じん相対濃度計、繊維状粒子自動計測器のそれぞれの違いは何ですか?

A:①パーティクルカウンターは、空気中にある埃や微粒子の数(何個あるか)を数える計測器です。粒子の大きさや粒子の大きさの範囲を指定して計測することができます。今回の場合ですと、集じん・排気装置の排気ダクト内部の粒子数を簡易に確認することができます。
余談ですが、このパーティクルカウンターは半導体製造のクリーンルームや製薬工場、食品工場の粒子測定や病院の手術室等の汚染源を特定するような用途でも使用されています。

②粉じん相対濃度計は、上記のパティクルカウンター同様空気中の埃や粒子を計測するものですが、パーテイクルカウンターは粒子の数を個数で表示するのに対し、粉じん相対濃度計は濃度として捉えカウント表示するものです。もう少しわかりやすく言うと、例えば1㎥当りにどのぐらいの濃度で粒子が存在しているかをカウント表示しています。従って、粉じん相対濃度計は繊維状粒子のみを計測する機器ではありませんが、今回の場合はこの濃度の差異によって石綿の漏洩を監視しようとするものです。例えばですが、集じん・排気装置の排気ダクト内部の漏洩を監視する場合、集じん・排気装置を稼働させる前の排気ダクト内を測定し記録に取った後、同装置を稼働させしばらく経ってのちに同じように測定し、その測定結果に著しい差異が認められ、しかもこの値が一定の値で推移すれば、HEPAフィルターによって石綿等は漏洩していないと確認することができます。
なお、この粉じん相対濃度計も作業環境現場の粉じん測定を始め、フィルターの効果測定など幅広い分野で使用されています。

③繊維状粒子自動計測器は、繊維状粒子を計る計測器です。位相差顕微鏡(以下「PCM法」という)とは、基本的に異なる原理で製作されていますが、標準アスベスト繊維で較正されており、長さ5μm以上、幅3μm未満、アスペクト比3以上の総繊維数濃度をリアルタイムに連続計測・記録することができます。従って、セキュリティゾーンの前室付近や集じん・排気装置の排気ダクト内の測定の場合、PCM法による測定ではリアルタイムに測定することが不可能であるが、この計測器であれば瞬時に漏洩を感知することが可能です。その上この計測器であれば、解体作業中のリアルタイム連続監視測定をすることができます。またシステム(オプション)を組むことにより、管理目標値を超えた場合に、警報音や警告表示することが可能です。

Q:粉じん相対濃度計はどのように選べばよいですか?

A:粉じん相対濃度計は大きく分けて、吸引ポンプ内蔵のものとファン吸引式のものがあります。どちらも使用することは可能ですが、ファン吸引式のものは測定時にファンにかかる圧力が1Pa程度ですが、集じん・排気装置の排気を吸引した場合には50Pa以上の圧力がかかり、ファンが破損してしまう可能性があります。そのため測定時の吸引圧力が50Pa程度の吸引ポンプ内蔵の粉じん相対濃度計を選んだ方が良いと思います。

Q:排気ダクト内の空気の測定時に「導電性のシリコンチューブ」を使うのは、どうしてなのでしょうか?

A:吸引時に静電気によるチューブ内部の粉じん粒子の付着を防止し、計測値の誤差を最小限にとどめるために使います。

2.計測器以外に関するご質問

Q:石綿とアスベストは同じものなのですか?

A:はい、そうです。アスベストを日本語で言うと「石綿」で(せきめん)または(いしわた)と呼びます。具体的に石綿とは、繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライトおよびトレモライト(以下、「クリソタイル等」という。)を言います。

Q:負圧化とはどういうことですか?

A:簡単に言うと、大気圧よりも低い気圧に隔離空間(隔離された作業場所)内を保つことです。ご存じのように、空気は気圧の高いところから低いところに流れますので、隔離空間を負圧にすることにより、石綿が飛散している空気を、通常の空気の流れによって隔離空間の外に逃がさないようにすることができます。具体的には、「集じん・排気装置」を使用することにより、装置内のHEPAフィルターを通して、密閉された隔離空間内の清浄化(石綿粉じんを除去)した空気が隔離空間外に出るようにする対策を実施します。

Q:隔離空間(隔離された作業場所)は、具体的にどのくらい負圧にするのですか?

A:隔離空間は、-2~-5Paの負圧とすることを目安としています。

Q:洗身室では、どのように洗身するのですか?

A:洗身室においては、呼吸用保護具を装着したまま、エアーシャワーで全身を回転させながら30秒以上洗身します。

3.その他のご質問

Q:ここで掲載されている商品以外のものを購入したいのですが可能ですか?

A:もちろん、可能です。基本的にアスベスト解体作業場で使用する機材一式について取り扱っています。商品名、型式等商品情報をご連絡ください。

Q:直接、詳細な説明を聞きたいのですが、来社いただくことは可能ですか。

A:可能です。事前にスケジュール等を確認させていただき訪問いたします。
なお、料金は発生しませんが、遠距離等、場合によっては交通費(実費)をご負担いただきます。

Q:購入後の修理および較正等のアフターフォローは大丈夫ですか?

A:ご安心ください。各メーカーとの提携によるサポート体制を整えています。初期診断実施後、お見積りいたします。

Q:マスクの密着性を確認するための計測器を一時的に教育用で使いたいのですが、レンタル等はできますでしょうか?

A:予算的に購入するのは難しいが、社員教育や使い勝手を知りたいなどスポットで使ってみたいお客様には、レンタルサービスをご提供いたします。当社では、「労研式マスクフィッティングテスター」をご用意いたします。最低1週間以上からレンタル可能で、ご希望の方には取扱い説明にお伺いいたします(遠距離等、場合によっては交通費の実費のみご負担いただきます)。詳細については使用期間等のご連絡をいただいたのち、お見積りいたします。

Q:アスベスト関連以外で、環境の測定についてお聞きしたいのですが、問い合わせは可能でしょうか?

A:環境の測定に関することでしたら、ご質問をお受けいたします。ただし、当社もすべてを把握しているわけではありませんので、お調べする時間をいただく場合があります。初歩的なことでも結構ですので、何なりとお問い合わせください。

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